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フリーペーパー

今週も出版関係で一つ、
 
フリーペーパーの衝撃 (集英社新書 424B) (集英社新書 424B)フリーペーパーの衝撃 (集英社新書 424B) (集英社新書 424B)
(2008/01/17)
稲垣 太郎

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 「ぱど」や「ホットペッパー」などのフリ−ペーパー。駅や店の片隅に設置されている棚に様々な種類、ジャンルのものが並んでいる。アルバイト情報やマンション情報が載っているので手持ち無沙汰な電車の中で読んでいようかと何気なく手に取ることもあるはず。しかし、いつの間にこのような無料紙が駅や店の片隅に置かれるようになったのだろう。この本はこのようなフリーペーパーの紆余曲折の歴史とこれからの展望を追った書籍である。

 フリーペーパーが日本に浸透するまでには幾刊もの無料紙が創刊されては消えてきた。例えば、欧米を席巻してきた無料紙「メトロ」は日本への進出を事実上断念している。日本のメディア界の閉鎖性に打ちのめされたこともあったし、メディア界だけでなく社会全体から締め出されるような苦汁を味わうこともあった。しかし、インターネットが普及するにつれて紙媒体産業が不振に陥る中、徐々に浸透しつつあったフリーペーパーの動向がこれからのメディア業界を占うほどのものに成長しつつある。はたして、フリーペーパーは読者を紙媒体に呼び戻す救世主たりえるのか、はたまた既存のメディア業界の破壊者に終わってしまうのか。

 著者が大穴だとみるのがニュースを扱う日刊無料紙である。日本への参入障壁の高さが浮き彫りとなっていた分野であるが、時代の流れからこの後出てくる可能性は大いにある。だが、この分野はニュースの配信社の協力が不可欠である。また既存の有料新聞の需要を直撃するものであるから、新聞社自体の方針転換によって実現される可能性が高い。一から新たに立ち上げ、新規参入しようというのは難しいかもしれない。

 無料紙においてもクーポンやお得情報を載せた情報紙としての役割はインターネットに奪われつつある現実には変わりなく、新たな役割が求められている。それはもはや紙媒体全体の役割と直結しつつある問題であり、これからの紙媒体業界の方向性を決めうる問題である。このようなことからもフリーペーパーの動向が注目される。

 ということだけれども、実際欧州では読者ターゲットを低所得者層に絞っていることなどかして、有料紙の役割がなくなるということはないんじゃないかな。あと、『早稲田文学』が無料紙になっていたことには驚かされた。

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